11月18日、住宅見学会と町家活生セミナーを実施しました。当日は快晴でした。
現場ではこの日のために、前夜遅くまで工事をしていただいたようです。
朝早くからたくさんの友人達が訪ねてきてくれました。
漆教室に使われる予定の椅子の座り心地を確かめる生徒さんたち。
家づくりにあたり、三澤先生が岐阜市内に設計したお宅を何軒か見学させていただいたのですが、そのお宅の方々も来てくださいました。
子どもたちの遊び相手をつとめてくれたのは、グリーンウッドワークの椅子づくり講座の参加者の方。(ありがとう!)
嬉しかったのは、この家づくりにさまざまな形で関わってくれた人が、実物を見て完成度の高さを喜んでくれたことでした。
提灯の説明をしてくれている、老舗の岐阜提灯の社長さん。紙を漉いた職人さんにもお越しいただきました。

「ナラ枯れ」の被害に遭ったナラの樹を切ってくれた林業の人たち。森林文化アカデミーのOBです。この樹、本当は何十年もかけて大きな家具用材に育てようと計画していたものでした。病気のために伐らなければならなくなったのを、三澤さんが住宅に使うことを提案してくれて、大黒柱やダイニングのカウンター、階段板などに生かされたのです。
ナラの樹と再会して、思いはひとしおだったようです。
京都造形芸術大学の通信制大学院の受講生の方たち。三澤先生の授業で、空き家だったこの家を改修する課題が出たことが今回の家づくりのきっかけとなりました。それだけに、見てもらえて嬉しかったです。4人の受講生のみなさんのアイデアも少しずつ実際に生かされています。

受講生4人と指導教官、みんなでポーズ!息もピッタリ!

午後からは、近くの場所をお借りして「町屋活生セミナー」が開かれました。前半は三澤先生、アカデミー同僚の辻先生、今回の家づくりを担当してくれた田尻さんからのレクチャー。
後半は、施工にあたった棟梁と現場監督、瓦屋さん、解体と基礎を担当してくれた業者さんによるディスカッションでした。築100年を超えると思われる家は、大きく歪んだり傾いたりしており、それらを直しながら増築部分と合わせて新しい家に改修していくのは大変難しかったそうです。普段なら聞けないこのような専門的な苦労話を聞くことができ、主催していただいた三澤先生にはとても感謝しています。
最後に棟梁の長屋さんから、とてもいい言葉をいただきました。「仕事が仕事を教える」。難しい仕事にあえて望んで取り組むことで、よりレベルの高い技術を身に付けることができた、ということでした。
みなさんからのお話を聞きながら、家づくりは住まい手個人にとどまらず、地域の共有の財産づくりなのだと思いました。
私自身も、岐阜・川原町の町並みの維持に少しでも貢献できればという思いがありましたが、今回は関わっていただいたみなさんがそれぞれにレベルの高い仕事を目指したことで、素晴らしいものが地域にできたし、数多くの知識や技術が蓄積され、継承されることになったのだと思います。
さて、日が暮れてからのお客さんには、温まってもらえるよう豚汁を準備。
庭木を剪定してくれた加藤さんも来訪。
リビング・ダイニングは、建築中は狭い印象でしたが、できあがってみるとずいぶん広かったです。10人規模の宴会もここでできそう。嬉しい誤算でした。
来てくれたみなさんと記念撮影。
朝早くから夕方遅くまで、たくさんの方にお越しいただきました。
この日のためにがんばっていただいた棟梁の長屋さんはじめ施工のみなさん、三澤先生はじめ設計のみなさんには心からお礼申し上げます。
長い一日を終えて散らかっている自宅に戻り、思わず気も抜けてグビ〜。
あぁ〜早く新しいお家に移りた〜い。