2012/06/14

改修工事スタート

2012年5月29日、ご近所さんへのご挨拶も済ませ、
予定よりちょっと遅れて、川原町の家の改修工事が始まりました。
いよいよビフォー・アフターのスタートです。
 
まずは北側部分の増築部分、風呂場の解体です。

見に行った時はもう解体され、すっかり無くなっていました。


隠れていた壁があらわになりました。
ここまでは重機が使えます。

内部はというと・・ 
建具、床も天井もすべてはがされガランドウ。

天井裏も丸見えになり、長い松の梁がこの家を支えているのが分かります。
期待していた棟書はありませんでした。

 東側の窓もすべて外され、モナカの皮だけの状態になってしまいました。
今、台風や地震が来たら簡単に崩れ落ちてしまう!

 
ただ壊せばいいわけではありません。
残すところ、利いてる柱を選んで手作業で解体しています。
状況を見極めながら、養生しつつ、新しい部分を調和させなくてはならない改修工事は、
手間と経験が必要な、気が遠くなるような作業だと思います。


2012/06/13

この家の記録

改修工事が始まる前にこの家の記録を残しておきます。

敷地面積34.5坪
間口4m 奥行き27m 東南角地
かつては炭薪屋の倉庫兼事務所として使われ、戦後に住居として使われるようになったようです。

玄関正面 瓦に「寶」のような文字が描かれています。

北側には増築部分、中庭を隔てて風呂があります。

二間の幅で奥まで部屋が続き・・

仏壇が置かれていたのか?
柱には昭和26年からの背くらべの傷が刻まれていました。
ここでどんな家族が暮らしていたのでしょう・・

なぜか流しが二つ並んでいます。

トイレ・・洋式になってました。

屋根裏へ登る急な階段。

大人が立てないくらいの高さの屋根裏部屋。

中庭から外の風呂。
風呂は木の桶でした。冬は寒かったことでしょう・・

これからこの家の改修工事に入ります。
古い部分は残したまま、基礎、構造をしっかり補強し、断熱、気密を高め、
北側の増築部分は取壊し、車庫と居間を新築して木造総二階建ての明るく心地よい住まいに生まれ変わります。
竣工は10月29日の予定です。








2012/06/12

清め祓い式と契約

4月23日大安吉日、清め払い式を執り行いました。 新築の場合は地鎮祭ですが、我が家は改築なので清め祓い式だそうです。 
 初詣にも参詣する伊奈波神社から神主さんに来て頂きました。地主でもある工務店の方々、三澤さん、私たちでお祓いして頂きました。 細長い敷地の隅々まで、お祓い、お神酒、塩とお米で清めます。古い建物なので、何かが住んでいてもおかしくありません。
その後は工務店さんの事務所へ移り、施主、設計事務所、工務店の三者で契約書の取り交わし。すごい厚みの設計書類、たくさんの契約書類、おびただしいハンコの数。ひとつひとつハンコを押すたびに、大きいプロジェクトが始まるのを実感します。
この物件を初めて見た日から1年7ヶ月が経ったこの日、降っていた雨も上がり、清々しくスタートです。

2012/06/11

家づくりに使う木を見に行く

1月19日、私たちの家の地主である桑原さん、設計をしていただく三澤先生と、関市洞戸の山へ木を見に行きました。この山は桑原さんの会社、雛屋林材さんが代々所有する山です。
今回の家づくりは、木材業を営む桑原さんが自ら施工してくださることになりました。それだけでも特別なことですが、施工の打ち合わせの中で「ぜひ桑原さんの山の木を使いましょうよ!」と三澤さんから提案があり、この日の見学となりました。地域材の利用にこだわる三澤さんの熱意は凄いです。
山では、柱や梁に使うスギに桑原さんがあらかじめ印をつけておいてくれました。樹齢50〜60年のスギです。
自ら直径を測る三澤さん。木の家づくりを手がける設計士さんの中でも、山まで足を運び材料を見るところから始める人はほとんどいないと思います。改めてスゴイ!と感じました。
伐採、乾燥のスケジュールについて打ち合わせる三澤さんと桑原さん。そしてメモを取る三澤さんの事務所スタッフで森林文化アカデミー卒業生の中井さん。中井さんも「Ms日記」にこの日のことを書いてくれています。
僕は「施主」として参加していたのですが、三澤さんの仕事ぶりや桑原さんの山の歴史の話が面白くてすっかり記録係のようになってしまいました。三澤さんはこれから伐られるスギと施主が並んだ写真が欲しかったそうですが、施主自身が興奮して写真を撮りまくっていたので、肝心なスギとのツーショットはありません。
実は桑原さん、「節が多いかもしれないから」とご自身の山の材料を使うことにためらっておられましたが、施主としては全然そんなことは気になりません。むしろ、こうして設計士さん、山主さんと一緒に山へ材料を見に行くことから家づくりを始められるなんて何と贅沢なんだろう、と感激した一日でした。