2012/10/28

早いもので・・・完成見学会のお知らせ


写真は10月25日の様子です。まだまだ内装、外装とも工事が続いていますが、もう3週間後に竣工予定となりました。11月18日(日)に「完成見学会」と「町家活生セミナー」を実施していただくことになりましたのでお知らせします。

こちらからチラシを閲覧・ダウンロードできます。

完成見学会、見どころは盛りだくさんです。

・設計・・・森林文化アカデミーの名誉教授・三澤文子先生が、京都造形芸術大学での授業課題として設定してくれたものが現実になりました。三澤先生が提唱・実践する「木造建築病理学」にもとづき、町家を美しく再生していただきました。
・構造材・・・地主であり施工主である雛屋林材さんが、関市洞戸の山から伐って出してくれました。
・梁・・・既存の町家の梁を生かしたものです。1階建てを2階建てに改築してもらったので、2階の目の前に梁が走って迫力があります。
・床板・・・漆教室の生徒さんたちに手伝っていただき、漆を塗りました。
・大黒柱・・・森林文化アカデミーで実習を行う森で、ナラ枯れの被害を受けた丸太を生かしました。
・照明・・・漆教室の生徒さんでもある、老舗の岐阜提灯の社長さんに作っていただきました。和紙は、森林文化アカデミーでもお世話になっている美濃の手漉き和紙職人さんのものです。
・外壁・・・設計事務所のスタッフさんや森林文化アカデミーの学生たちに手伝っていただき、塗装をしました。



大きな地図で見る

完成見学会は、岐阜市元浜町35-14の現地にて、11:00〜16:00です。上記地図の緑色の矢印のところです。
車でお越しの方は、徒歩数分のところに岐阜公園第1駐車場があり便利です。入庫後、いちばん奥のほうに停めると近いです。
バスでお越しの方は、長良橋方面行き(Nのついた系列)に乗り、「材木町」で降りて北へ徒歩2〜3分です。

そこから東へ2〜3分歩いたところに、「鵜飼観覧船待合所」があります。その2階で、13:30〜15:30に「町家活生セミナー」が行われます。
森林文化アカデミーの同僚で住まいの温熱環境のスペシャリスト・辻さん、今回私の家を担当していただいた設計事務所の田尻さん、そして三澤先生によるレクチャーがあります。その後は、施工にあたっていただいた棟梁さんをはじめ工事関係のみなさんでのディスカッションです。
この地域にお住まいの方や、これから木造住宅を建てたり改修したりしたい方には興味深い内容になると思います。

レクチャー(1)「町屋の寒さを改善する方法とは 寿命を縮める寒い家」
      (岐阜県立森林文化アカデミー 辻 充孝) 
レクチャー(2)「定期借地権による町家保存の可能性」
      (Ms建築設計事務所 田尻 裕樹)
レクチャー(3)「川原町町家改修設計手法について 木造建築病理学の実践」
      (住宅医ネットワーク代表/京都造形芸術大学教授 三澤文子)

ディスカッション「古い町家の改修工事方法」
建築工事:雛屋林材株式会社
解体・基礎工事:株式会社 栗田組
大工棟梁:岐長建築
瓦工事:高橋製瓦株式会社
設計:三澤文子 MSD


ぜひお越しください。

2012/10/22

外壁の塗装

もうだいぶん前になりますが、9月のはじめ、外壁の塗装をしました。外壁はスギ材で、「下見板張り」という、ちょっと洋館のような感じの張り方になります。8月に北海道へ出張した帰りに、「北海道開拓村」という開拓時代の建物を移築保存しているところを見学したのですが、ほとんどの建物が下見板張りでした(下の写真)。

当初、設計の三澤先生からは、川原町の一部の建物にも使われている「鎧張り」という張り方も提案されたのですが、ずいぶん豪勢な感じがするので少し控えめな下見板張りにしていただきました。
色は、川原町の景観に合わせて黒です。

塗装には、三澤先生の事務所の担当者・田尻さんを含め、3人のスタッフが応援にかけつけてくれました。三澤先生の事務所では、こういうワークショップ型のセルフ塗装をよくやるそうです。施主にとっては、設計事務所の方が「一緒に家をつくってくれている」という感じがして、とても心強く嬉しいものです。

そして、森林文化アカデミーからも学生が2人手伝いに来てくれました。ひとりは木造建築講座の山本けいさん。彼女は、今回の改築をするにあたり「住まいの診断レポート」もまとめてくれました。もうひとりは、ものづくり講座の岩井香織さん。課題研究などで忙しい中、時間をつくって来てくれました。
森林文化アカデミーの木造建築講座では、実際に施工される木造住宅の一部を学生が設計したり、塗装作業などを手伝ったりする実習があるので、実はいつも羨ましいと思っていたのです。自分の家づくりも、学生たちの教育の素材になればいいなと。今回こうして学生が参加してくれたことで、その夢が叶いました。

4メートルの外壁材150枚を、メンバー6人で1日かけて2度塗りしました。途中、激しい夕立に降られて乾かしていた板が濡れてしまうハプニングもありましたが、きっときれいに塗れているでしょう!
手伝ってくれたみなさん、ありがとうございました!

2012/10/04

壁の補強

地主さんの山の杉材を使った梁も立って、ロフト部分ができて来ました。

既存の土壁の内側に新しい柱を立てて、補強。
狭い部屋が更に狭くなってしまうが、致し方ない。



断熱材をたっぷり詰め込み、構造合板材で蓋をする。これで壁はガッチリ強くなる。

裏に土壁があることはすっかりわからなくなりました。

2012/10/02

上棟式

建て方が終わってから7月24日大安の日に上棟式を執り行いました。
作業が終わってからの夕方、ささやかな会食を準備しました。


作業の安全と皆様の健康を願って、ノンアルコールで乾杯〜!
施工の雛屋林材さん、大工さん、基礎工事の方、設計の三澤先生、田尻さん、総勢12名お集まり頂きました。
話題は「こんな難工事は初めてだ!」
こうして工事関係者全員で会食することで、難題に立ち向かう連帯感が生まれたように思います。


仕出し弁当とお稲荷さん、枝豆、とうもろこし、冷やしトマトおでんと夏メニュー。


棟札は天井裏はない設計なので、二階のどこに収めるのでしょう?